実の親父が他界して早いもので、14年。
そして昨夜、僕の恩師であるもう一人のオヤジが亡くなった。
オヤジさんと出会ったのは、17年前。
僕が23の頃、面接の相手をして貰った時にさかのぼる。
オヤジさんは僕が前職へ中途入社した当事、社長を勤められていました。
何とも風格があり、当時尖がってた僕でさえ緊張するほどの強面。
でも笑うと可愛くて、僕もつられて笑っちゃうような、人間味溢れる方でした。
面接の日の事、今でもはっきり覚えてます。
「お前、営業向きだな。営業やれ」
「営業なら入りません。僕はソフトがやりたいんで、ここへ面接に来たんです!」
「ハハハッ!ところでお前、ソフト組めるんか?」
「勿論です!3,000ステップ程のソフトならバンバンやってます!」
…
実は当事、オペレータとしてある会社に派遣されていた僕は、ソフトなんて殆どわかりませんでした^^;
そう、ハッタリかましたんですね。
そこまでしてもソフトやりたかったし、何より一瞬でオヤジさんの豪快さに惚れちゃって(^^)
でも多分、ばれてたでしょうね。ハッタリは^^;
…
「ところで、お前の夢はなんか?」
「はい、社長になることです。会社をやってみたいんです!」
「ハハハッ!面白いヤツじゃの~(笑)」
「30歳になったら独立します。それでも良ければ雇ってください。」
「わかった(笑)その時にお前がほんとに力付けとったら、応援しちゃるよ(笑)」
…
これが僕の独立宣言です(^^)v
今でも青二才ですが、当事ではとてつもなく馬鹿げた発言だったでしょうにね^^;
オヤジさんは暖かく笑ってくれました。
…
「俺は気が短いけ~の~。今ここで入社決めんと、気が変わるかもしれんぞ!」
「喜んで!お願いします!」
「ところで、給料は幾らにしようか?」
「いえ、要りません!」
「ハハハッ!お前、要らんちゅーても生活出来んし、会社もそういうわけにはいかんぞ」
「幾らでも良いです。勉強させて貰って給料までいただけるなんて、勿体無いです」
「今、幾らか?」
「10万です」
「それくらいは、うちも出せるぞ」
「ありがとうございます」
「お前、広島のタコ部屋に行け。あそこにゃ優秀な連中が居るから、しっかり勉強せい!」
…
こうして僕は広島へ出てくることとなりました。
面接が一通り終わると、取締役の方々を紹介していただきました。
オヤジさんを始め、皆さんと握手を交わし、興奮して涙が出そうになったのを覚えてます。
僕にとって握手というものが、深い意味のあるものとなった瞬間でした。
帰路について、ハンドルを握った僕は「やったー!」と大声を張り上げて、更に人生を加速しました。
オヤジさんが引退して、5年近くが経とうとしています。
実は引退されてから一度もお会いしてません。
というか出来なかったんです。
予定より一年早めて独立をした僕に、オヤジさんがお祝いの言葉をくれました。
「約束通り、支援してやるよ」
「お前は出来るヤツだから、きっと成功しろよ」
「お前と俺との違いが分かるか?俺には沢山の部下が居る。優秀な幹部が居る。」
「お前は一匹狼なところがあるから、社員を沢山持とうとするな。」
「お前と本当に気心知れる仲間と、少人数でやれよ。」
「三種の神器ってしっとるか?お前なら、それを手に入れられるだろう。そんな仲間を見つけろよ。」
「お前も馬鹿なヤツじゃの~。俺はもし生まれ変わったら、社長なんか絶対やらんぞ(笑)」
「ほんまにやるんじゃの~ … がんばれよ!」
…
今でも前職とは取引の関係を持っていただいてます。
僕がこの業界に飛び込んでから、ずっとオヤジさんを目標にしてきました。
絶対に笑顔だけで会いに行きたいって決めてたんです。
「俺、こんなに沢山の仲間が居ますよ。オヤジさんの予想、はずれましたね(笑)」
「っていうか、俺成長したんですよ。あの頃オヤジさんが教えてくれた事、ちゃんと実現できたんですよ!」
やっと、オヤジさんの言葉の意味が分かり始めたのに…
生きてるうちに報告したかった…
釣りが大好きだったオヤジさんと一緒に海へ行きたかった…
俺って、どんくさいな。10年経っても進歩してないじゃん。
「お前の鋭い目が好きだ!」
この言葉、絶対に忘れません。
「俺、まだこっちでやんなきゃならないこと、沢山残ってるから」
「親父と先に、酒でも飲んでてよ。釣りしてさ~(笑)」
「俺がそっち逝ったら、一緒に会社やりましょうよ、ねっオヤジさん(笑)」
熱いものがこみ上げてくるけど、感傷に浸る資格は、今の俺には無いよ。
「オヤジさん。ほんと、可愛がってくれてありがとう。」
オヤジさん、安らかに。
オヤジさん…
ご冥福をお祈りいたします。